大量の郵便物を発送している企業では、2024年10月1日(火)以降の「郵便料金値上げ」に際し、郵便料金をできるだけ安くあげる方法はないものか、できるだけ早く発送できる手段はないものかを切実に考えていることでしょう。
数十通を発送するのであれば、それ程、真剣に考える必要もないのかもしれませんが、自社の顧客に数千、数万と言った量を発送しようと思えば、慎重になってしまうことでしょう。
特定の宛先に送付物をお届けする企業には、
・日本郵便株式会社
・ヤマト運輸株式会社
・佐川急便株式会社
・西濃運輸株式会社
・株式会社地区宅便、日祐株式会社など、民間のメール便会社
などを選択することができます。
どれも有効的発送手段ではあるのですが、ひとつ、注意しなければならないことがあります。例えば、企業のマーケティングや発送担当者が、クロネコゆうメールがいいからと選択しても、クロネコゆうメールでは発送することができないものがあります。それが「信書」なのです。
信書という言葉を、何度となく聞いたこともあるでしょうけど、信書とは何?と聞かれて案外答えることができない方々がいます。
そこで、今回は、「信書」とは何か、わかりやすく解説をします。
目次
そもそも「信書」とは何か?
「信書」とはどのようなものをいうのか、それは、郵便法や信書便法で定義づけられています。そのルールに従えば、信書とは、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または、事実を通知する文書のことを言います。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000803804.pdf
参照:信書に該当する文書に関する指針(総務省)
https://www.soumu.go.jp/yusei/shinsho_guide.html
参照:信書のガイドライン(総務省)
https://www.soumu.go.jp/yusei/111117_01.html
参照:「信書に該当する文書に関する指針」Q&A集(総務省)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000447206.pdf
参照:相談事例からみた 信書のガイドライン (総務省)
ちょっと難しい言い方になってしまうのですが……、具体的には、手紙、ハガキの書状が信書にあたります。
書状は、考えや用件などの意思の表示、また、事実を通知する文書として考えることができます。差出人から特定の受取人に対し、その内容を伝えるため送付される書状は信書に該当します。
請求書、納品書、通知書、領収書、見積書、申込書、契約書なども信書です。請求書の場合、費用の請求という意思表示、また、事実を通知する文書だと考えることができます。差出人から特定の受取人に対し、その内容を伝えるために送付される請求書は、信書に該当します。
また、結婚式などで使用される招待状も信書の類です。
さらに、免許証、認定書、表彰状、印鑑証明書、健康保険証、履歴書、健康診断結果通知書などと言った証明書も信書の扱いとしてみなされています。
ダイレクトメール(DM)は信書?
紙媒体のダイレクトメール(DM)をたくさん発送する企業もあることでしょう。ダイレクトメールは果たして信書なのでしょうか?。とても気になる問題です。
ダイレクトメールの場合2つのパターンに分かれます。
差出人が、特定の受取人に差し出す趣旨が明らかになった文言が記載されてある場合には、そのダイレクトメールは信書の扱いです。
ただし、街頭やお店の前で配布したり、新聞折り込みのチラシやパンフレットの類を封筒に入れたり、ダイレクトに宛名を貼って発送するのであれば、信書ではありません。
送付状(添付文書)以外に、個々の受取人に関する記載がされているダイレクトメールであれば信書の扱いです。個々の受取人の記載がないような場合でも、商品の購入などと言った利用関係があることを示された文言の記載があれば、信書としてみなされるため注意が必要です。
さらに、個々の受取人の記載がないような場合でも、自社の会員の方向けなど、契約関係が特定される受取人に対しての意思表示、事実の通知である内容の文言が記載されている場合は信書の扱いとなります。
一方で、公然的な内容や公開可能である事実だけの、もっぱら街頭配布や新聞折り込みを前提として作成されるチラシのような意味合いのものであれば、それは信書としての扱いではありません。
信書に該当しないもの
信書に該当しないものは、たとえば以下のようなものです。書籍
新聞、雑誌、会報、さらに、手帳……など書籍に記載されてある内容自体は、特定の受取人に対してのものではありませんので信書には該当しません。但し、同封するチラシや冊子など同封物に受取人を特定出来る文章が含まれる場合、信書となります。
カタログ
カタログは、一般に対し発行されるものであり、特定の受取人に対するものではありませんので、信書には該当しません。
但し、こちらも書籍同様、同封物に受取人を特定出来る文章が含まれれば、信書となります。
小切手
小切手も特定の受取人に対しての意思表示、事実を通知する文書ではないため、信書の扱いではありません。プリペイドカード
プリペイドカードは、金銭の支払の用途で発行されるものであり、使用する時の注意事項が記載されています。それは、特定の受取人に対しての意思表示、また、事実を通知するものではないので、信書には該当しません。クレジットカード
クレジットカードは、信書にあたるのでは……と考えている方々もいるでしょう。特定の人宛ての文章があると信書の扱いになりますが、カードには個人情報がインプットされていても、文章ではありません。よってクレジットカードも信書の扱いではありません。
会員カード
会員カードは、会員であることの確認などの機能性を有したものであり、カードを使う際に必要な注意事項が記載されています。その記載内容に特定の受取人に対する意思表示、また、事実を通知する文章が記載又は同封されていなければ、会員カードは信書ではありません。
信書に該当するダイレクトメール発送での注意ポイント
信書に該当するダイレクトメールを一般配達事業者が配送する場合、以下のような注意が必要です。民間事業者による信書の送達に関する法律には、信書の秘密保護が明確化され、信書便事業を行うには、総務省の許可が必須であるという取り決めがあります。
総務省の許可がなく、事業所が信書を発送する業務を行ったり、また、許可のない事業所に対して信書の発送を依頼すれば、3年以下の懲役、また、300万円以下の罰金に処されます。
信書の秘密をおかしたり、信書を勝手に開いたりした場合にも罪に問われることがあるため、信書というものに対しての扱いには充分な配慮が必要です。
データドリブンマーケティングをどうはじめればいい?
ここでは、データドリブンマーケティングをどうスタートさせればいいか解説をします。ダイレクトメール(信書)を発送できる手段とできない手段を見極める
ちょっとまだ、わかりづらいと思っている方は、ダイレクトメール(信書)を発送できる手段とできない手段の区別をつけておくといいでしょう。
NGである手段でダイレクトメールを発送すれば、罰則を受ける可能性があるため要注意です。
日本郵便を利用すれば、信書は全部OKということではありません。
日本郵便でも信書の配達がOKなのは、ハガキや定形郵便、定形外郵便などの郵便物として扱われる送付物、レターパック、スマートレターなどです。
ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストは、NGであるため注意してください。
佐川急便の場合は、飛脚特定信書便であればOKです。
それ以外は、NGです。
ヤマト運輸では、クロネコゆうメールであれば、信書の発送ができるのでは……と容易に考えてしまうのかもしれませんが、クロネコゆうメールもNGです。
ヤマト運輸を利用して、信書の発送はできません。
西濃運輸では、カンガルー信書便であればOKです。
それ以外は、NGです。
チクタクメール便や日祐メール便など、民間のメール便会社を利用しての信書の発送は、出来ません。
まとめ
いかがでしょうか。今回は、「信書」について解説しました。
郵便料金値上げにともない、より安く発送できる手段はないものか、それぞれ企業では真剣に考えているところでしょう。
しかし、まずは、ダイレクトメールが信書にあたるか、信書にあたらないのか?明確化させる必要があり、信書に該当するものであれば、法律に遵守した対応が必要です。
ついうっかり発送した場合でも、後々裁判沙汰となってしまい企業イメージを失墜してしまう場合もあります。
ただ、できるだけ安くという発想では、このあたりポイントが抜け落ちてしまう可能性があるため注意が必要です。
最終的に信書に該当するか?しないか?の判断は、総務省管轄となります。
その前に各郵便局でも確認してもらえます。
但し、郵便局の局員でも信書の判断が出来ない場合もありますので、大量のダイレクトメールの発送を検討している場合、ダイレクトメール発送代行会社に相談した方が賢明です。
紙媒体のダイレクトメールを発送することも、デジタル化が主流となりつつある現代において有効的手段と考えることができるのですが、自社で行われている発送手段が間違っていないのかをまずはご確認ください。
アドレス通商では、通常のゆうメールより安価に配達出来る日本郵便との相対契約の特約ゆうメールやチクタクメール便、日祐メール便など各種メール便のご提案が可能です。
在籍する営業マンは、信書についての知識が豊富ですので、大量なダイレクトメールを安価に発送したいとお考えでしたら、アドレス通商まで、なんなりとお問合せ下さい。