単にEC事業者が注文の商品を発送すればいいというのは、遠い昔のことです。
現在、求められているのは、顧客満足度を高めることができる「おもてなし」です。
実店舗であれば、お客様と対面し他にもおもてなしの方法を考えることができるかもしれません。しかし、EC事業においてはお客様に直接伝えることができない欠点があります。
なおさら実店舗以上にEC事業に求められているのが、『おもてなし』なのです。それができているか否かで、競合との大きな差がうまれてしまうことでしょう。
通販物流以外にも、
・複数の商品画像と詳細な説明文を掲載する
・ECサイトの見栄えを良くする
・検索キーワードの性能を高める
・購入までの導線を短くする
・アンケートを実施する
などと言った様々出来るおもてなしがあります。
それでは、通販物流において、どうすれば顧客満足度を高めることができるのでしょうか。
この記事では、
・顧客満足度を高めるおもてなし通販物流が必要な理由
・顧客満足度を高めるおもてなし通販物流が不足している事例
・顧客満足度の高いおもてなし通販物流はどうすれば行える?
・顧客満足度の高いおもてなし通販物流:効果的なサンクスメール
・顧客満足度の高いおもてなし通販物流は、はじめから行うことが肝心
について知ることができます。
おもてなし通販物流の方法がわからない……という方は、ぜひこの記事をご一読ください。
目次
顧客満足度を高めるおもてなし通販物流が必要な理由
「桶の理論」をご存じでしょうか。タンパク質の利用効率にも桶の理論があてはめられています。
20種のアミノ酸は、一戸でも欠けてしまうとタンパク質を合成することができません。桶の理論にあてはめれば、必須アミノ酸を桶の板とし、中の水はタンパク質です。
不足しているアミノ酸があると、そこから水は流れ出てしまい、その高さまでしか水を溜められません。つまり、不足しているアミノ酸の量までしか、タンパク質を合成することができないのです。
EC事業にあてはめれば、在庫であったり、商品の企画、また、受注処理と言った部門(板)をはめ込むことができていたとしても、通販物流という桶板が50%の完成度であったとしたら、中の水(顧客満足度)は零れ出てしまい、50%までしか維持することができません。
水の量を維持するために、EC事業において全部の業務を平均水準まで保つことはとても大事なことです。
顧客満足度を高めるおもてなし通販物流が不足している事例
おもてなし通販物流が不足しているとはどのような事態なのでしょうか。
お客様は、おもてなし通販物流ができていないEC事業者に対して、以下のようなことにがっかりし、失望しています。当然、今後そのEC事業者を利用したくない……という思いになってしまうことでしょう。
・包装が過剰
・資材のサイズが違う
・箱がつぶれている
・箱のイメージが商品と違う
・口紅がついている商品が届いた
など
包装が過剰……
中の商品を守るために包装はとても大事です。
だからと言って緩衝材やビニール、テープなどを過剰に使用し包装された商品は、お客様が開けづらい……と感じ、決して顧客満足度につなげることは、できません。
徹底して包装すること自体がおもてなし通販物流と考える事業者の方々もいるかもしれません。そうではなく、おもてなし通販物流ではさらに上を見て、開けやすさであったり、処分のしやすさあたりのことを配慮する必要があります。
資材のサイズが違う……
EC事業をスタートしたばかりの頃は、様々なサイズの資材を用意できていない……というケースも散見します。大は小を兼ねるという意味合いでは、大きな資材を用意すればすべてを補えると考えることができます。
しかし、商品の資材が大きすぎてしまうことで、お客様のゴミ出しも大変になってしまいますし、たくさんの緩衝材でスペースを埋めることになって、それら緩衝材の廃棄に対しても苦労することになります。
近年、環境に優しくということがしきりに言われている最中で、このようなエコに反した商品が届けば、そのEC事業者に対してお客様は決していい思いをもたないでしょう。
箱がつぶれている
せっかくエコ重視で資材に拘りをもったとしても、出荷・配送が雑で箱がつぶれたり、傷がついたりしてしまうことで、商品自体は別に問題はなくても、お客様は決してそのEC事業者に対していい思いをもちません。
そのあたりのことに対してもおもてなし通販物流では何らかの対策を講じる必要があります。
箱のイメージが商品と違う
高級ブランドの商品を購入したというのに、安易な段ボールで届いたのなら、お客様は、「このEC事業者は大丈夫かしら……」と言った気持ちをもつことでしょう。
EC事業者は、様々なコストを削減することでお客様に低価格の商品を提供しているのかもしれません。しかし、ブランドと箱のイメージを統一するという意識も大事であり、おもてなし通販物流のひとつとしてとらえることができます。
口紅がついている商品が届いた……
お客様が白いシャツを注文したところ、届いた商品には口紅がついていた……という事例もあります。
なぜ、このような事態が起きてしまうのかといえば、返品商品を良品再生して発送しているケースが考えられます。
返品された商品を再度違うお客様の元へ届ける場合、しなければならないのは、厳重な検品です。それをしないで発送してしまうことで、お客様がつけた口紅や、髪の毛、また、嫌なニオイなどに全く気付かず再発送してしまうことがあります。
果たして、これはちょっとしたミスと言えるでしょうか。お客様は、もう二度とこのショップでは買い物をしないと憤慨していることでしょう。
顧客満足度の高いおもてなし通販物流はどうすれば行える?
ここでは、どうすれば顧客満足度の高いおもてなし通販物流が出来るのかを解説します。顧客満足度の高いおもてなしの梱包
通販物流において、梱包はとても大事な意味があります。
同じ商品が自宅に届いたとしても、安易に梱包された商品とそうでない商品とではお客様が受け止めるインパクトもガラリと変わってきます。
丁寧に梱包されていることで、お客様は今後、このECショップで商品を購入して、誰かにプレゼントしようという気持ちになるでしょう。
通販物流の過程である包装で競合他社と差をつけるため、以下のような方法が考えられます。
・カスタム包装
・エシカルなパッケージ
・薄紙ラッピング
・ステッカー
・名刺
・ニュースレター
・明細&オリジナルメッセージ
・手書きの挨拶状
・誕生日にサプライズプレゼント
カスタム包装
オリジナルなパッケージで発送するなど、カスタム包装を採用する事で、お客様にブランド価値を与える事が出来ます。
エシカルなパッケージ
EC事業において白や茶のダンボールがよく使用されています。
コスト面から考えれば、それが一番いいと言えますが、そのようなパッケージに100%依存している状態であれば、決しておもてなし通販物流が出来ているとは言い難いです。
そこで、EC事業者はおもてなし通販物流のためSDGs目標達成のためのエシカルなパッケージを使用することも検討してみてはいかがでしょうか。
薄紙ラッピング
さらに、商品が薄紙でラッピングされていると、お客様が開封する時の期待値を上げる事が出来、顧客満足度につなげることができます。
ステッカー
さらに、薄紙でラッピングしたあとは、ステッカーで封をすることで、オシャレ感を演出する事が出来ます。
ステッカーは用途が様々あり、かつ、価格もリーズナブルなので、それぞれ事業者でおもてなしできる使い道を検討するといいでしょう。
名刺
名刺も安価でできるブランドアップのおもてなしツールです。
アイデアを振り絞った名刺を同梱する事で、自社のオリジナリティを高めることができます。
ニュースレター
あるEC事業者は、ニュースレターなどを一緒に同梱しています。ニュースレターは、お客様とブランドとのコミュニケーションを深める読み物として機能します。
明細&オリジナルメッセージ
おもてなし通販物流では、商品と一緒に入れる明細にもオリジナリティのある文言であったり、季節ごとのメッセージを印刷する事も有効な方法です。
手書きの挨拶状
デジタルの時代だからこそ現在手書きが評価されていると言っていいでしょう。
挨拶状が手書きであることで、お客様は、それぞれひとりひとりに愛情が注ぎ込まれているような気持ちになります。
誕生日にサプライズプレゼント
ひとりひとりのお誕生日に、プレゼントを送ることで、お客様の好感度を高めることができます。
そんな大それたプレゼントを考える必要はありません。
ちょっとしたものでも、誕生日に何かが届けば、自分の誕生日を覚えていてくれたことに感謝してくれることでしょう。
顧客満足度の高いおもてなし通販物流:効果的なサンクスメール
サンクスメールとは、ECサイトで商品を購入してくれたお客様に対し、感謝を伝えるためのメールのことです。EC事業者が購入してくれたお客様とはじめて接点を持つ機会と考えていいでしょう。 おもてなし通販物流では、適度なタイミングで感謝の言葉や、最新情報が記載されているサンクスメールを送ることで、商品を購入したお客様とのいい信頼関係を築くことができます。
サンクスメール発信は、一斉送信するメルマガよりも開封率が高い傾向があります。 それは、商品の購入直後であることも理由ですが、注文内容確認であったり、発送スケジュールなどと言ったお客様が知りたいと思っている情報がリアルに届くためです。
また、サンクスメールの中に、商品レビューのCTAを入れておくことで、お客様は容易に「レビューしよう」という気持ちにもなるでしょう。
EC事業者の方々も、お客様にたくさんレビューしてもらうことで、様々な有益な意見を収集でき、サービス改善を行うことが出来ます。 お客様の声に耳を傾けることにより、レベルの高いおもてなし通販物流が可能となります。
顧客満足度の高いおもてなし通販物流は、はじめから行うことが肝心
例えば、はじめて行くレストランで、お店に入りすぐに笑顔のスタッフが顔を出し、メニューを丁寧に説明してくれて、かつ、おいしいメニューをベストタイミングで運んでくれたとすれば、お客様はまたこのお店をリピートしようという気持ちになるでしょう。人は何事に対しても、最初に接した瞬間に印象を決めてしまいがちなのです。
EC事業であれば、初回商品が届くまでのおもてなし通販物流のプロセスがとても大事です。かつ、サンクスメールも有効的に活用し、リピート率アップを目指してください。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は、通販物流において顧客満足度を高められるおもてなしについて解説しました。
商品さえちゃんとしていればいいという思いでは、通販物流に対しての配慮がいい加減なものになってしまうことでしょう。
桶の理論でも解説しましたが、通販物流の配慮が50%であれば、すべての他の配慮は50%に留まってしまうものです。 様々な部門で最高レベルのおもてなしが出来ているとすれば、当然通販物流に対しても100%のおもてなしを目指す必要があります。
そこで、通販物流において軽視されている部分はないか、もう一度見直しすることをおすすめします。余力がない……というのであれば、発送代行会社を利用することも検討してみてはいかがでしょうか。
アドレス通商では、「次の工程はお客様」という事を大事にし、商品を扱う際「保護者目線・消費者目線」の両方を持って作業にあたっております。
大切な人にプレゼントをする気持ちになって、商品を検品、包装する。 そうした事を極めることが作業品質の向上につながると考え、おもてなし通販物流をおこなっております。