DtoCにおける流通加工の取り組み方 DC(ディストリビューションセンター)の活用

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EC事業においても、現在DtoCが注目されています。EC事業において成功のカギは商品企画やマーケテイングだと考える方々が多いことでしょう。

 しかし、成功しているDtoCでは、流通加工を重視している傾向があります。

 流通加工は、物流加工手段のひとつとしての役割を担うだけではなく、顧客をブランドに惹きつけ、ファンを醸成するためのとても大事なポイントです。

今回この記事では、

 
・DtoCとは何か
・メーカー企業がDtoCを採用するメリット
・DtoCにおいて流通加工の大事な課題
・物流倉庫と物流センターの違い
・DC(ディストリビューションセンター)のメリットデメリット
・アウトソーシングも選択肢に入れる

 
について知ることができます。

 
気になる方々はぜひ一読下さい。

目次

  1. DtoCとは何か?
    1. DtoCがEC事業でも注目されている理由
    2. SNSの普及
    3. ECモールの拡大
  2. メーカー企業がDtoCを採用するメリット
    1. 顧客情報を収集することができる
    2. コスト削減に有効的
    3. 正確にブランド性を伝えることができる
  3. DtoCにおいて流通加工の大事な課題
    1. ブランドアピールの成功例
  4. 物流倉庫と物流センターの違い
    1. 物流センターの種類
  5. DC(ディストリビューションセンター)のメリットデメリット
    1. DCのメリット
    2. DCのデメリット
  6. アウトソーシングも選択肢に入れる
  7. まとめ

 

DtoCとは何か?

従来であれば、メーカーが商品を製造し、卸売業者が介入、仕入れをして小売りへと卸し、 小売店によって商品は消費者の元へと販売される形をとります。

一方でDtoCは、商品の販売ルートにおいて、卸売業者、小売店を介さず、直接消費者に販売する形をとります。

DtoCは卸売業者を介入しない形式であるため、それだけコストを抑えることができます。また間接的にならないため、消費者に対して、商品の良さであったり、メーカー側の思いを正しく伝えることができます。

 

DtoCがEC事業でも注目されている理由

EC事業においても、現在DtoCが注目されています。

その理由は、

・SNSの普及
・ECモールの拡大 があります。

 

SNSの普及

DtoCのビジネススタイルは、アメリカからスタートした新しいモデルです。

日本でのビジネススタイルにDtoCが意欲的に取り入れられるようになった背景には、SNSの普及があります。

SNSがない時代では、商品の認知度をアップさせるためにはテレビや雑誌、新聞などの媒体を利用して広告を出稿したり、販売力をもっている小売店に商品を任せる必要がありました。

しかし、SNSが登場し、容易にメーカーが商品のストーリー性を直接消費者にアピールすることができるようになりました。

 

ECモールの拡大

また、インターネットが普及したことによって、ECモールを利用してショッピングをする消費者が増加したことも理由としてあげることができます。

amazonなど大手のECモールが誕生し、アメリカでは小売業者が相次いで廃業に追いやられる事態がおきています。

また、いつまでもamazonに依存している状態では、競合他社との競争が激化し、なかなか売り上げを伸ばすことができない問題があります。やがて、メーカー独自の販路を拡大するための方法としてDtoCが取り入れられるようになりました。

アメリカに追随し、日本のメーカーも小売店に依存した従来存在しているビジネススタイルからの脱却を目指すことになります。
 

メーカー企業がDtoCを採用するメリット

メーカー企業がDtoCを採用することで、以下のようなメリットがあります。


・顧客情報を収集することができる
・コスト削減に有効的
・正確にブランド性を伝えることができる

 

顧客情報を収集することができる

DtoCのビジネススタイルは、消費者と直接向き合うスタイルです。
どうしても間接的になってしまう従来のスタイルと比較して、顧客の抱える詳細なデータも容易に収集することができます。 顧客から得た情報は商品にストレートに取り入れることが可能です。

タイムリーに消費者のニーズに答えることができるため、消費者の方々からもいい評価を得ることができます。
また、メーカーや商品のファンは、メーカーと直接対話できる事に感動し、よりコアなファン層を作り上げる事が可能です。

 

コスト削減に有効的

DtoCのビジネススタイルは、中間業者を通さない方法であるため、それだけコスト削減に有効的です。また、無店舗経営であれば店舗にかかるコストも削減することができます。

無駄なコストを削減することで、よりお客様に対していい商品を提供することができるでしょう。

 

正確にブランド性を伝えることができる

また、DtoCは、中間業者を介さないビジネススタイルであるため、メーカーが伝えたいと思っている商品のイメージを正しくお客様に伝えることができます。

ECモールでは、他の似たような商品が一緒に並んでしまうため、なかなか正確にブランドイメージを届けることができない難しさがあります。しかし、独自のECサイトで行うDtoCであれば、そのような問題もクリアすることができます。
 


DtoCにおいて流通加工の大事な課題

DtoCにおいて流通加工の大事な課題は、ブランド力をアピールすることです。

DtoCを行う上で基本的に物流のノウハウが必要です。はじめてDtoCを取り入れようと思ったとき、どうしても商品の企画であったり、マーケテイングに注視してしまうことでしょう。もちろん商品企画、マーケテイングも大事ですが、物流の抱える別の課題もしっかり捉えておくことが大事です。

特にメーカーが持つ物流倉庫や委託倉庫は、企業間物流をおこなっているため、DtoCのカスタマー向け物流に不慣れな場合があります。

ただ商品を売り届けることではなく、顧客をブランドが持つ価値に興味を惹きつけ、ファンを醸成することがDtoC成功のカギと言えます。

 

ブランドアピールの成功例

流通加工は物流のひとつの過程に過ぎないのですが、単に物流の問題だけでなく商品のブランドイメージとも大きく関与します。

DtoCを採用し成功している事業者は、たとえば緩衝材をピンクにし、ラッピングは藁と桜の花びらを同封するなどといった梱包と包装に対して強い拘りをもつことで、企業のオリジナル性をアピールすることに成功しています。

次第に梱包と包装に言及する購入者の方々が増えてきています。そのような事態の中で自社の商品のファンになってもらうため、流通加工は欠かすことができないポイントであることも見落とさないようにする必要があります。
 


物流倉庫と物流センターの違い

「物流倉庫」と「物流センター」は同じような使われ方をしていることかありますが、実際にはそれぞれ違いがあります。

簡単にいえば、物流倉庫は商品を保管しておく場所のことであり、センターは、物流倉庫の機能性ももっていますが、それだけでなく商品が顧客に届くまでの総合的な流れを支える機能を備えています。

そこにはレベルの高い加工を行う設備があり、機械部品の組み立てやセット、通電、動作確認、商品の袋詰め、シール貼り、シュリンクや研磨などの流通加工が行われます。

 

物流センターの種類

物流センターは、物流のそれぞれの分野において種類が分かれます。

・配送センター
・TC(トランスファーセンター)
・FC(フルフィルメントセンター)
・DC(ディストリビューションセンター)
・PDC(プロセスディストリビューションセンター)

商品を仕分けしエリア内の顧客へ配送する物流施設は、「配送センター」です。

商品の格納・保管はせず、メインで仕分けや積み替えをするセンターは、「TC(トランスファーセンター)」と呼ばれています。

ECサイトから依頼があった商品の在庫管理・ピッキング・梱包・出荷・返品処理をおこなうのが、「FC(フルフィルメントセンター)」です。

 

商品の入荷・検品・流通加工・保管・ピッキング・梱包・出荷・返品処理までを担っているストック型の物流センターは、「DC(ディストリビューションセンター)」と呼ばれています。FCとの違いに明確な決まりはありませんが、フルフィルメント業務以外でも人的リソースが豊富で流通加工やその他、付帯作業もおこなうのがDCです。
また、鮮魚・精肉などの食品加工といった流通加工の機能をさらに強化したセンターが、「PDC(プロセスディストリビューションセンター)」です。

 
中でもブランド力をアピールするために、重要視しなければならないのは、流通加工とかかわるDC(ディストリビューションセンター)です。

 

DC(ディストリビューションセンター)のメリットデメリット

流通加工を充実させるため、DC(ディストリビューションセンター)についても正しく理解しておきましょう。

 

DCのメリット

DC(ディストリビューションセンター)導入のメリットはブランド力をアピールできることです。

それ以外にも、

 ・コストを抑えることができる
・在庫を多く保管できる

 といったメリットがあります。

DC(ディストリビューションセンター)では、商品そのものには手を加えないですが、商品の価値を大きく高められる工程が行われ、DCが充実することでブランド価値を高めることができます。

また、DCは長期的に在庫保管を行うことができる物流センターです。DCを構えることで大きいロット単位で商品を確保することができるようになります。
一度に多くのロットで購入することができ、結果コストを抑えることができるメリットがあります。

 さらに在庫を多く保管することができるため、突然大量の商品注文がお客様から入ったときなどにもフレキシィブルな対応をすることができ、結果お客様から信頼を得ることができます。

 

DCのデメリット

しかし、一方でDCにはデメリットもあります。

企業が在庫を多く抱えてしまうことで、管理業務が発生、定期的に棚卸作業を行う必要が出てきます。規模が大きいものになってしまうほど、人件費など今までかからなかったものに対しての負担があります。

 またDCのデメリットは、倉庫内の設備費や人件費、在庫管理費といった保管環境の整備のため保管ラックの購入であったり、管理システム導入、空調設備などといった費用に対してもお金がかかってしまうことです。

 

アウトソーシングも選択肢に入れる

DtoCを導入することで売りあげアップを実現することができれば、商品量も一定量を超えてしまい自社の中では、なかなか対応が難しい事態になってしまうことでしょう。
そのとき検討すべきことは、アウトソーシングの導入です。

アウトソーシングであれば、業務のノウハウを持たない企業でも、専門性の高いサービスを受けることができます。

流通加工の過程では、顧客をファン化するための細かいプロモーションが決め手となります。そのため、細かい対応が可能な専門家へアウトソーシングすることがポイントとなります。

 

まとめ


いかがでしょうか?

今回は、DtoCのビジネススタイルを採用するメリットとともに、DtoCにおいての流通加工の大事な課題について解説しました。

 
DtoCと向き合えば流通加工をいい加減に扱うことはできません。
流通加工は、ブランド力をお客様にアピールするセクションであるためです。

 DtoCをスムーズに運営していくために、DC(ディストリビューションセンター)が活用されます。

 DC(ディストリビューションセンター)を自社に導入し、様々問題を抱えている企業も少なくありません。
そのようなときには、アウトソーシングすることも選択肢のひとつとして考えて下さい。



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