ダイレクトメールを発送する前に おさえておきたいマーケティングポイント

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マーケティングを考える上で大切になるのは、どう顧客目線の立場に立つことができるかです。

自社の商品・サービスの「価値」についてそれぞれ企業で熟考していることでしょう。その価値は、顧客との関係性で決定されていくのです。

そのためには、顧客のことをよく知り、理解する必要があり、企業本意で物事を進行させても何も意味がありません。まずは、顧客となる人物像(ペルソナ)をしっかりと設定し、ペルソナに刺さるようなアプローチをする方法を検討することが大事です。


目次

  1. マーケティングとは顧客分析をすることである
    1. 顧客のニーズを把握する
    2. 購買プロセスを把握する
    3. 顧客分析の方法①デシル分析とは
    4. 顧客分析の方法②セグメンテーション分析とは
  2. ダイレクトマーケティングとは
    1. ダイレクトマーケティングの特徴
    2. ダイレクトメール以外の媒体
  3. まとめ

マーケティングとは顧客分析をすることである

マーケティングとは何か。それは、顧客分析することだと言っていいでしょう。

顧客分析とは、自社のサービスを利用、商品を購入するお客様がどのような層の人たちなのか、どのような購買行動をとっているのかを分析することです。それぞれ企業は、顧客分析を行うことで、顧客満足度アップを実現し、購買率アップへとつなげています。

また、顧客は、市場に属しています。そのため、市場規模と成長性を分析することもマーケティングに含まれます。

自社商品の市場が拡大しているのか、また、縮小しているのかで、今後の企業の事業展開のやり方を修正しなければならないときもあるでしょう。

市場規模を把握する方法として、国勢調査などの政府・自治体の資料であったり、リサーチ会社などのデータを有効的に活用することも効果的です。

顧客のニーズを把握する

自社でどんなにいい商品やサービスだと思っても、それは絵空事にすぎません。

顧客ともっと密接な関係をもち、顧客のニーズが反映していないことには、単に無茶な商品の押し付けと言ってもいいでしょう。

多分こうだろう……というのではなく、顧客にアンケートをとったり、ターゲットに近い顧客を集めてインタビューを行ったりするなど、実際に顧客の声に耳を傾ける施策が必要となってきます。


購買プロセスを把握する

顧客がその商品を購入するにいたる過程をしっかり把握することもマーケティングには必要不可欠です。

BtoBであれば、購買のプロセスは複雑化することもあります。それは、ひとつの商品を購入するのでも複数の担当者が関わったりすることがあり、上司の承認が必要だったりして、購買の意思決定にかかる時間も長くなることがあるからです。また、BtoBであれば、価格の安さが重視されやすい傾向があります。

比較して、BtoCの場合は購入の意思決定の時間は短めで、BtoBよりは価格の安さより個人の嗜好が反映されやすいと言っていいでしょう。

このような感じで、BtoBとBtoCでも購買プロセスは違ってくるため、担当者は、それぞれにマッチした戦略をとる必要があります。


顧客分析の方法①デシル分析とは

ここでは、顧客分析に活用できるデシル分析について紹介します。

「デシル」とは、ラテン語で10分の1という意味あいです。すべての顧客を購買金額の高い順番に10分割し、どの枠が売り上げに貢献できているのかをリサーチします。

エクセルなどを活用して、比較的簡単に分析することができるため、みなさんの企業でもマーケティングに取り入れることをぜひおすすめします。

デシル分析のやり方

まずは、顧客を購入金額の多い順に配置してみましょう。

多い順に並べた上位ランクから、10のグループに分類します。たとえばお客様が1,000人いれば、100人ずつで10グループに分類します。

そして、それぞれのグループの購入金額の合計を出します。

すべてのお客様の購入金額の合計に対して、それぞれグループの購入金額がどの程度なのかパーセンテージを割り出します。

方法はこのような感じであるため、指標がひとつで手軽で簡単に実行することができ、スピーディーに対応することができるのではないでしょうか。

アプローチの考え方もはじめての方々にも理解しやすく、基本としては、購入金額がトップのグループに対して一番たくさんの予算を使い、他のグループは若干優先度を下げていくという流れです。

逆に、顧客全体の底上げを行いたいという場合には、下位のグループをターゲットにし施策を行うといいでしょう。

一方で、デシル分析の単純さはデメリットだとも言っていいかもしれません。

みなさんも商品を買うとき、単に価格が高い、安いだけで購入を決めている訳ではないでしょう。消費者視点に立てば、商品の購入にはいろいろな要素が絡み合ってきます。

また、購入から数年経っている場合だとしても、高額商品を購入した顧客は依然として上位グループにランクインしている可能性もあります。

したがって、細々とした分析や長い展望のマーケティング戦略を考えていくにはやや不向きな一面もあります。


顧客分析の方法②セグメンテーション分析とは

セグメンテーション分析とは、お客様の購入履歴、住所、年齢などと言ったデータから、属性ごとグループ分けして行うマーケティングです。

こちらも簡単な顧客分析であるため、ぜひ注目してみましょう。

セグメンテーションとは、英語で「分割」という意味あいで、マーケティングでは「市場細分化の手法」のことを指します。


セグメンテーションには、4つの変数を使います。


・ジオグラフィック変数(地理的変数)

「ジオグラフィック変数」は、大きな視点でセグメンテーションをおこなう、初期のステップで使用されることの多い変数です。

住居エリア
地理的要因
周囲の環境
人口規模
気候
文化
宗教
……。

具体的にはこのような変数です。

地理的な要因であったりエリアごと売れ行きは変わってくるため、ジオグラフィック変数をもとにし商品を決めることで、売上アップにつなげることができます。

例えば、エリアの違いによる特徴としては、出汁の濃さがあるでしょう。

関東と関西で好まれる味つけは違うことはよく知られているため、この関東・関西にセグメンテーションし、違った出汁を使用した商品を販売展開していくことがエリアマーケティングには求められることです。

このように、日本全国で同じ味で統一してしまうことよりも、それぞれのエリアで馴染みのある味を販売する姿勢をもつことで、消費者の欲求に近づくことができ、売り上げアップにつなげることができます。

・デモグラフィック変数(人口動態変数)

「デモグラフィック変数」とは、客観的な基準よりセグメンテーションする場合に使用される変数です。利用頻度は一番高いと言っていいかもしれません。

年齢
職業
性別
所得
学歴
家族構成
……。
などがデモグラフィック変数になります。

同じサラリーマンだとしても、職種や、業界により違うニーズを持っているので、より具体的なセグメンテーションをおこなうことで正確なニーズを確認でき、よりターゲットに対し最適なマーケティングを行うことができるようになります。

・サイコグラフィック変数(心理的変数)

「サイコグラフィック変数」とは、顧客を理解するために大事な変数です。顧客ニーズの多様化にともないより重要度が増していきます。

以下のようなライフスタイルを表します。

価値観
趣味・嗜好
習いごと
購買動機
……。

顧客心理に強く視点をあてているため、サイコグラフィックのセグメンテーションをおこなえば、売上も格段とアップできます。

性別、年齢はわかりやすい指標ですが、それだけでは細かな嗜好やニーズを読み取ることが難しいです。サイコグラフィック変数で、例えば、辛いものが好き、脂分が気になっる……といった心理的セグメンテーションをおこなえば、どのような商品をどんな感じで訴求すればいいのかを具体的にすることができます。

サイコグラフィック変数だけでは正確なターゲット数を把握しづらいため、通常であれば他の変数とマッチングしてセグメンテーションをおこないます。

・行動変数

「行動変数」とは、購買状況であったり、購買のパターン、製品の認識度といった要素のことです。

以下のような変数を指します。

購買状況
求めるベネフィット
ロイヤルティ
製品へのリテラシー
製品の使用頻度
サービスの利用シーン
顧客の購買心理
……。

新規顧客に対してリピート購買を促し、リピーターに対しては購買を継続してもらうことができるよう、顧客層により、商品紹介の方法を変化させる手法などに結びつけます。

会員カードやポイントカードなどと言ったものによって来店履歴や購入履歴をデータ化して活用することもできます。まだ登録していないお客様にアプローチしたり、頻繁に商品を購入してくれているお客様に向けたセールを展開するなどといった活用方法があります。

4Rの原則

セグメンテーションをおこなうとき、細分化しすぎると実際にはキリがなくなってしまうでしょう。強みを生かしたより有効なセグメンテーションを行うためにも、以下の4Rの原則を基準値にするといいでしょう。

・優先順位(Rank)

市場に優劣を設定し、自社の強みを生かせるかどうか判断する基準値がRankの優先順位です。

自社の経営戦略であったり、強みと照らし合わせ、セグメントした市場に対し重要度の優劣が明確になっているかを確認しましょう。

・規模の有効性(Realistic)

その市場から利益を上げられるかを判断する基準値が、Realisticの規模の有効性です。

セグメンテーションをおこなった市場がそれ程大きくない規模であれば、期待している利益を出せない可能性もあります。

規模が利益を上げるため、適当でないと判断した場合はターゲティングの対象から外します。

・到達可能性(Reach)

セグメントした顧客に対し、実際にサービスを提供することや、広告を提供することができるかを判断する基準値がReachの到達可能性です。

コストなどの課題の精査をしっかり行います。

ターゲットの対象と自社の強みが合致し、市場規模が充分だと判断されても、コストがかかり過ぎの場合や、言葉の壁があってハードルが高い……などといった場合は再度検討する必要も出てきます。

・測定可能性(Response)

実際問題、市場規模や境界線の測定が可能かを判断する基準値が、Responseの測定可能性です。

市場の規模にプラスして、購買力や嗜好といった属性の測定についても確認を行います。

あいまいなセグメンテーションは市場測定が困難であるため、基準とすることはできません……。具体的数値に換えられないか検討が必要です。

ダイレクトマーケティングとは

ダイレクトマーケティングとは、それぞれ企業が、顧客に対して直接コミュニケーションを図るマーケティングの手法です。

ダイレクトマーケティングの手法には、ダイレクトメールが含まれてきます。

一方では、不特定多数の消費者に一方的にメッセージを発信するマス・マーケティングがありますが、これとダイレクトメールの手法は、対立的な立場だと考えることができます。

近年、特にダイレクトマーケティングが注目されていると言っていいでしょう。以前であれば、通信販売会社など狭い業種の十八番という感じだったのですが、現在では、保険会社や、教育産業、アパレル企業、不動産業……など多くの企業がダイレクトマーケティングを導入しています。

それは、マス・マーケティングの手法が、食傷気味である……と言った理由もあるのかもしれません。

また、ダイレクトマーケティングの発達は、インターネットの普及も大きく影響しています。なかでもWEB上で、利用者の行動が詳細に把握できるようになったことで、広告テクノロジーは大きく進化し、格段高いレベルで企業と顧客とのコミュニケーションを容易に行うことができるようになったのです。

まさに、近年は、ネットとの共存が明るい未来を切り開いているのです。

ダイレクトマーケティングの特徴

まずは、ダイレクトマーケティングの特徴を明確にしておきましょう。

直接的

ダイレクトマーケティングの最大なる特徴はといえば、顧客と直接的にコミュニケーションをもつことができることです。

ランダムにダイレクトメールを発送すればいいというのではなく、どなたが問い合わせや、資料請求、購入などアクションをとったかをデータ化できる時代だからこそ、より効果を高めることができます。

ダイレクトメールは、お客様にとって不特定多数のひとりということではなく、まさに自分自身に向けられたものであり、個人的アプローチとして受け止めてもらいやすく、プロモーションの精度もより高めていくことができます。

測定可能

ダイレクトマーケティングの特徴は、測定可能であることです。

逆に言えば、測定をしないダイレクトメールの施策では、それ程いい効果を期待することができません。様々な広告や販促施策の反響値を数字で測れることが、ダイレクトマーケティングの強みです。

何件資料請求があり、そのなかで、何名購入したのか……といったことを明確化することがダイレクトマーケティングなのです。

マンツーマン

ダイレクトマーケティングであれば、たとえ企業が何千という顧客を抱えているとしても、マンツーマンのアプローチを行うことができます。

ダイレクトメールの場合、「○○県にお住いのお客様へ」などと地域で内容を変えたり、既存顧客向けでも見込み客であったり、リピーターなどセグメントにより、あいさつ文の内容を変えたりし効果を狙います。

関係を構築する

ダイレクトマーケティングでは、単にお客様に商品を販売するということだけでなく、顧客との親密な関係を構築し、維持し続けることが可能です。そうすれば、安定した長期的展望が見えてくるでしょう。

一度購入してくれただけのお客様を増やすのではなく、幾度も通ってくれるリピーターを大事にし、満足度を高めることが可能です。

インタラクティブが可能

インタラクティブとは「双方向の」とか、「対話型の」といった意味あいの言葉です。お客様ひとりひとりの属性であったり、購入履歴をデータ化するダイレクトマーケティングにおいて、顧客と双方向性のあるやり取りが可能となります。

購入してくれたお客様に対してはお礼状を発送したり、リピーターのお客様には特別なおすすめ商品を提案したりするなど、ひとりひとりのアクションを重視したアプローチをおこなっていきます。

アプローチでは、実際にコミュニケーションをとることもあるでしょう。感想を直接聞いて商品・サービスの改善につなげたり、潜在ニーズを発掘するのも大事なことです。それらは、まさに、マス・マーケティングには存在しないキメが細かい対応です。お客様は、「今度もまたこの企業から商品を買いたい」という気持ちになってくれることでしょう。


ダイレクトメール以外の媒体

・電話

テレマーケティングも、ダイレクトマーケティングにおいて大事な役割を担っていると言っていいでしょう。B to Bビジネスや通販会社の多くが採用しています。

ダイレクトメールからの注文やお問合せ窓口としてのインバウンドと、ダイレクトメール発送後のフォローとしておこなうアウトバウンドなどで活用されています。


ダイレクトメールやテレマーケティングは、リテンション領域に効果的な媒体ですが、ダイレクトメール以外にも以下のようなデジタル領域の媒体を活用して、リテンションを強化するといいでしょう。

・メール(SMS)

顧客ひとりひとりに合わせた内容・タイミングでメールを送るステップメールも戦略に組み入れたいひとつです。

WEBを登録してくれたお礼や、購入時・購入後の個々の案内、バースディの特典メールなど、幅広く活用する方法があります。

他にも、広告で獲得した顧客にメルマガを配信し、関係性を持続しつつ商品・サービスを販売するという手法も見かけます。

・SNS

X(旧Twitter)、やFacebook、Instagram、LINEなどSNSは、とくに若年層とつながる確率の高いメディアです。

一方通行の情報発信だけでなく、コメントのやりとりを通して直接顧客とコミュニケーションを構築し、親近感であったり、ロイヤルティを育て、セールやクーポンの紹介をしていくことで購買行動へとつなげていきます。広告費をたいしてかけないでも劇的に認知度を上げることも可能です。



新規顧客の獲得では、ターゲット層の年齢などに応じて以下のような、アナログやデジタルの媒体を取り入れるといいでしょう。

・雑誌・新聞広告

雑誌・新聞広告などは、不特定多数に向けたマス・マーケティングに属するものですが、ターゲットを絞った内容を展開し、電話で注文を受けたり、メールの問い合わせなどその後のアクションを促すことによって、見込み顧客の情報を獲得することが可能です。

・折込チラシ

折込チラシは、新聞の広告とも違い、配布日やエリア、部数を細かく調整することができるため、ローカルな小さなお店から大手チェーンまで幅広く活用されています。

デザイン性、紙質にこだわりを持たなければ、コストも比較的安価で可能です。

・ネット広告

ネット広告には、リスティング広告や、記事広告、Facebook・Twitter・Instagram広告などと言った様々な種類があります。

利用者の検索アクションや、趣味、属性に応じた細かいターゲティングが可能、見込み客の獲得に有効活用することができます。


・自社WEBメディア

自社で運用するWEBメディアも、有益なコンテンツ発信を続けることで顧客と接点を保ち、購入やリピートにつなげることができます。

ユーザーが自ら能動的に情報を取りに行くプル型メディアですが、SEO対策をしっかり行うことで、見込み客を集める集客ツールにすることができます。

ただし、期待通りの成果を出すためには運用・コンテンツ制作の面で、専門的知見も必要となります。

まとめ

それぞれ企業にとって、最も適したマーケティング施策が必要です。

ダイレクトメールは、ダイレクトマーケティングの有効的手段です。

ただし、同じ内容のダイレクトメールを大量に発送することに、集中してしまうこともデジタルが普及した時代、不適当だと言えます。

ダイレクトメールを軸において、デジタルを含め、様々な媒体・戦略を見つめ直し、組み合わせていくといいでしょう。

施策を行うときには、PDCAサイクルを上手く回していくことも必要であるため、やって終了……とはならないように注意が必要です。





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