A/Bテストとは ダイレクトメール発送を効果的に行うポイントを解説

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A/Bテストという言葉をまだ一度も聞いたことがないという方もいらっしゃると思います。

ダイレクトメールを効果的に発送するためにも、必要となるものがA/Bテストです。

今回は、A/Bテストがなんなのかわかりやすく説明するとともに、ダイレクトメール発送におけるA/Bテストの行い方のポイントなどについて解説します。

ダイレクトメールを効果的に発送したいと考える企業のDMご担当者の方はぜひ一読ください。

目次

  1. A/Bテストとは何か
  2. A/Bテストのメリット
    1. データに基づき判断をすることができる
    2. 同時並行で比較が可能
    3. 低コストを実現できる
    4. 続けて改善できる
  3. A/Bテストで注意しなければならないポイント
    1. ある程度の母数が必要となる
    2. ある程度の期間を要する
  4. A/Bテストが使える対象
  5. ダイレクトメール発送でA/Bテストを成功させるコツとは
    1. スケジュールを立てる
    2. 条件や環境を整える
    3. ひとつずつテストする
    4. 微妙な変更ではほとんど変わらない
    5. 改善のために仮説をたてる
  6. まとめ

A/Bテストとは何か

A/Bテストが何か。DMに関わる方であれば、大筋は知っておきたい言葉です。

A/Bテストとは、マーケティングを行ううえの手法のひとつです。Aパターンと、Bパターン二つ用意し、どっちがいい成果が出るのか検証するため、A/Bテストと呼ばれています。

A/Bテストがなんのために行われるのかと言えば、CVR(コンバージョン率)やCTR(クリック率)を高めるためです。A/Bテストを一定期間繰り返し試すことで、どちらのパターンが、CVR(コンバージョン率)、CTR(クリック率)向上につなげることができ、CV(コンバージョン)獲得、クリックされるまでの効率を高められるかを確認することができます。

ダイレクトメールにおいても、ただ適当に発送しただけでは反応率しか知ることができないでしょう。もっと深堀した反応率の良し悪しを知りたいと思えば、比較することで知ることができます。


たとえば、あらかじめ目標とする反応率を設定し、その反応率を超えれば良いという判断の仕方では、低い利益率にとどまってしまうことになるかもしれません。また、それは損失にもつながってしまうかもしれません。

一方でA/Bテストを行えば、目標としている反応率よりも高い反応率を目指すことが可能です。A/Bテストを続けて行うことで、なんでそのような結果になってしまったのか、悪い点はどこにあるのか……などと言った、それぞれのケースごとに有益となるデータ情報の蓄積を行うことができます。 データが蓄積されることで、ダイレクトメールの反応率を予測しやすくすることができますし、どうすれば反応率を高めることができるか対策をとることができます。

また、続けてA/Bテストを行うことで、このターゲットに対して、このダイレクトメールの内容で、このタイミングで送れば、この程度の反応率を得られると言ったことまで知ることができるようになります。

A/Bテストのメリット

A/Bテストは、Web上でよく使用されていますが、オフラインでも使われることがあります。

現在では、マーケティングを行う上で大事な手法とされています。そのように考えているのは、A/Bテストには以下のようなメリットがあるからです。

・データに基づき判断をすることができる
・同時並行で比較が可能
・低コストを実現できる
・続けて改善できる

データに基づき判断をすることができる

AとBのどちらがいいのか、社員が向き合い議論することもあるのかもしれません。
しかし、結局は、議論を長い時間進めたところで結論は容易に導き出すことができる訳ではありません。 それは、そこに具体的データが存在しないためです。

A/Bテストを行うことで、データを示すことができ、その結果として結論を導き出すことができ、ポジティブな前進が可能です。

同時並行で比較が可能

従来存在していた比較分析では、おおかた、変更する前のものと変更した後の比較測定でした。

たとえば資料請求のボタンで、今までは「相談はこちら」という記載であったものを、「無料相談はこちら」にした方が、CVRをアップできるのではないかと言う場合があります。

従来の方法に当てはめれば、一度「無料相談はこちら」に変えてみて、以前と相談申し込み率がどう変わったのかを計測することになります。

実際問題、このような測定方法でも、数値で結果を知ることができます。しかし、試した時期が違っているため、他の要因が絡み、そのような結果になってしまったのかもしれないということが推測できます。つまり、それは正しく比較したことにはなりません。

A/Bテストの場合は、同じタイミングを狙って、2つのパターンを試すことができるため、影響されてしまうであろう外的要因を排除し、正しく計測を行うことができるようになります。

低コストを実現できる

コンバージョンをあげようとする場合、根本的にデザインを見直しし、リニューアルする方法も選択することができます。それでもいいのかもしれませんが、そのような方法では、それなりに費用が高くついてしまうことでしょう。

また、実際にリニューアルしてみて、コンバージョンアップが実現できればいいのですが、その保証がある訳ではありません。 

A/Bテストを繰り返すことで継続的に改善を行い、続けて行うことでコスト削減にもつなげることができます。また、企業の中で有益なノウハウも蓄積されていくことでしょう。

続けて改善できる

また、A/Bテストのメリットは、続けて改善を行えることです。
A/Bテストは、一時期に行うのではなく、継続して改善していくことが可能です。

例えば、商品販売ページにおいて、A/Bテストが行われた場合、
まず、「商品だけ写した写真」or「人物が商品を使っている写真」かでA/Bテストを行います。

その結果、人物が商品を使っている写真が有効であるデータが出れば、その後続けて、「男性」or「女性」かのA/Bテストを行います。

さらに続けて、 「30代」or「40代」 「明るめの服装」or「落ち着いた感じの服装」

……など、次々とA/Bテストを連続して行うことで、継続的改善を行うことができるようになります。

A/Bテストで注意しなければならないポイント

A/Bテストを行う上で注意しなければならないポイントもあるためここで解説をします。

ある程度の母数が必要となる

たとえば、A4大判はがきがいいか、ポストカードがいいかと言ったA/Bテストが行われた場合、そもそもその2つに該当しない人たちも一定の数存在してしまうことでしょう。ですから、A/Bテストの対象となる人数が少なければ、ささいな要因でも数字が動いてしまいがちです。

そのような事態を避けるためには、ある程度の人数を対象としてA/Bテストを行う必要があります。

ある程度の期間を要する

A/Bテストは、気軽に行うことができる方法です。しかし、数日A/Bテストを行っただけで結論を導き出してしまうのは、少し急ぎすぎです。それぞれの人たちには、行動スタイルがあり、おおかた週単位で、仕事をする日、休養する日でパターンを変えていきます。そのため、最低でもA/Bテストは一週間以上は必要です。

また、季節性要因が関与する場合、そのタイミングでA/Bテストをしなければ正しい結果を出すことはできません。

A/Bテストが使える対象

A/Bテストは、現在、バナー広告などで、広告コピーの改善に使用されています。
また、ランディングページや電子メール広告、チラシの活用などにも有効的に使われるテストです。

そして、ダイレクトメール発送においてもA/Bテストは有効的に活用することができます。 例えば、優待クーポンをつけるかつけないか、ダイレクトメールのレイアウトをどうすればいいか……などをA/Bテストで調べることができます。

ダイレクトメール発送でA/Bテストを成功させるコツとは

ダイレクトメール発送において、A/Bテストを正しく行うことで良い成果を出すことができる一方で、方法が間違ってしまえばそもそも検証ができていないため、そこから勝利の方程式を導き出すことはできません。

そこで、正しくA/Bテストを行うポイントについて解説します。

ポイントは以下にあります。
・スケジュールを立てる
・条件や環境を整える
・ひとつずつテストする
・微妙な変更ではほとんど変わらない
・改善のために仮説をたてる

スケジュールを立てる

あらかじめ計画をたてず、A/Bテストを行ったところでいい結果を導き出せるはずはありません。

ダイレクトメールには、
・制作
・印刷
・発送準備作業
・配送
などと言った様々な行程があります。

A/Bテストでは、プラスして、
・仮説立案
・効果検証
・テスト
・立案

などの段取りがあります。

バタバタして充分な検証ができないまま進めてしまったという状態では、所詮いい結果を導き出すことはできません。 正しくスケジュールを立てるためにも、A/Bテストがそもそも何か正しく理解しておくことも大切です。

条件や環境を整える

ダイレクトメール発送でA/Bテストを行い正しく測定するために、できるだけ同じ条件、同じ環境で発送する必要があります。

平日か、休日かでもターゲットの受け止め方には違いがあります。
・発送タイミング
・発送数
・発送リスト

と言った条件は整えて、A/Bテストは行われなければなりません。

また、既に解説していることですが、あまりにも少部数であれば正しい検証ができません。
有効的サンプルの目安として、日本ダイレクトメール協会の資料によれば、5,000件以上とあるので参考にするといいでしょう。

ひとつずつテストする

A/Bテストでは、様々な要素の効果検証が可能となりますが、一回のテストではひとつの要素だけをテストすることになります。

欲張って一回のA/Bテストで、複数の要素を試そうと思えば、レスポンスアップが見えたとしてもどのポイントが関与していたのかを検証することができません。
また、改善にも役立てることができません。

微妙な変更ではほとんど変わらない

A/Bテストを行うとき、要素の違いを明確にしておくことも大事なポイントです。微妙 に変更した程度ではほとんど変化が見えてこないでしょう。

例えば、キャッチコピーのA/Bテストであれば、細々とした表現ではなく、訴求自体を変更するような施策が必要です。特に、はじめてA/Bテストを実施するDM担当者の方はそのようなことを心掛けるようにしてください。

たとえば、キャッチコピーであれば、

「味」を訴求したキャッチコピー案として。
「こんなにおいしい野菜ジュースは今までなかった!」

「健康」を訴求したキャッチコピー案として。
「日々の野菜不足はこれ1本で補える!」 の比較検証になります。

改善のために仮説をたてる

味を訴求したキャッチコピー案。「こんなにおいしい野菜ジュースは今までなかった!」
健康を訴求したキャッチコピー案。「日々の野菜不足はこれ1本で補える!」
のキャッチコピーのテストで、健康を訴求したキャッチコピーの方が良い結果だったとします。

であれば、今後キャッチコピーは健康訴求のモノにしようと安易に考えてしまうかもしれません。しかし、それでは、それ以上の改善は望めません。

レスポンスを詳細に検証してみることで、野菜ジュースの購入者の半数以上が50代以上の方々だったとします。その場合、ターゲットを50代以上に絞り込めばレスポンスアップが期待できるという仮説を立てることができます。

そうすれば、次はキャッチコピーに、50代からの~などと言った言葉をプラスする改善案へと導くことができます。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、A/Bテストとは何か、ダイレクトメール発送において、どのようにA/Bテストを行えばいいかポイントについて解説をしました。

ダイレクトメール発送において、A/Bテストを正しく活用することで、はじめて大きな成果を得ることができます。 ただ、A/Bテストを行っている自己満足にひたらないことも大事です。 まったくゼロからA/Bテストをスタートしようと思えば、ある程度期間がかかってしまう認識も必要です。

ダイレクトメール発送において、正しくA/Bテストを行うことで、それぞれ企業が、勝利の方程式を導き出すことができます。
ただいつも議論に頼っていたというDM担当者の方は、ぜひ一度A/Bテストを実施してみましょう。

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